ブリュメルは
ミサ曲の作曲家としてとりわけよく知られており、中でも最も有名なのが、12声部のミサ曲《見よ、天地が揺れ動き
Missa Et ecce terrae motus》である。
モテットや
シャンソン、若干の器楽曲もある。ブリュメルは生涯を通じて作曲様式を発展させ、初期作品では、
オケゲム世代の不規則な旋律線やリズムの複雑さを示しているのに対して、後期の作品では、
ジョスカン・デ・プレの通模倣様式に加えて、当時のイタリア人作曲家の(例えば、ブリュメルと同時期にフェラーラ宮廷に仕えた
バルトロメオ・トロンボンチーノの作品のように)ホモフォニックなテクスチュアを取り入れている。ブリュメルの作曲様式で特異な点は、時おり和弦的な書法の中で、非常に急速な、1音節1音による朗唱を用いており、後の
16世紀の
マドリガーレの流行を先取りしている点である。これは時どきブリュメルのミサ曲の〈クレド〉楽章で見受けられる。――論理的に言うなら、〈クレド〉はミサ経文の中では最長なので、それ以外と同じように作曲していたのでは、不釣合いなほど長くなってしまいかねないからである。