カサドの楽器に対する姿勢は伝統的なものではなかったが、無伴奏チェロのための《
組曲》や《
ソナタ》は、古典的で自然なたたずまいとカタルーニャの情緒が融合された作品として、チェロ奏者の間でかなり知られている。この他に
チェロ協奏曲や
弦楽四重奏曲、
ピアノ三重奏曲などの大作も残した。だが、おそらく最も有名なカサド作品といえば、チェロとピアノのための小品集《
愛の言葉 Requiebros》であろう。
他に
シューベルトの
アルペジオーネ・ソナタを編曲した「アルペジオーネ協奏曲」や、
ドビュッシーの
月の光のオーケストレーションなど貴重な楽譜が
1997年に原智恵子夫人ゆかりの
玉川大学教育博物館に寄贈されているが、同大学は公開しておらず事実上死蔵状態となっており、識者による早急な研究が望まれるところである。これら遺品の一部で寄贈されず智恵子夫人の死後未整理だった楽譜資料の中から
バッハの未発見の「結婚カンタータBWV216」の手稿譜(自筆譜ではなくバッハの弟子マイスナーによる筆写)が発見され、
国立音楽大学の
礒山雅教授らによって確認された。国立音大ではファクシミリ版(自筆譜コピー)を出版する予定としている。