ヴァース・アンセムにおいて、「ヴァース」と呼ばれる独唱パートと合唱パートが交互に歌われ、
オルガンなどの楽器が伴奏につく。独唱パートは 装飾して表現力豊かな効果を出すことが期待され、一方、合唱パートは質・質においてそれと対照的なものを提供する。ヴァース・アンセムは17世紀初期から18世紀中期にかけて発展し、かなりの人気を得た。
チャールズ2世の
王政復古期、それ以前の
モテット形式への関心が復活したが、作曲家たちはヴァース・アンセムを作曲し続けた。とくに
チャペル・ロイヤルのためで、時には大規模なヴァース・アンサムになることもあった。
ヘンリー・パーセルも特別な行事の時、
頌歌を作曲したように、壮麗なヴァース・アンセムを作曲した。たとえば、詩篇をテキストとする『神はしも、その途全し(The Way of God is an Undefiled Way)』は。
ウィリアム3世の
フランドル遠征の無事と凱旋を祝するために作られ、当時有名だったバス歌手師によって歌われた。大規模なアンセムは「
シンフォニー・アンセム(
Symphony Anthems)」と呼ばれることも多く、独唱パートと合唱パートに加えて、弦楽器とオルガン・ソロのパートが加わる。パーセルの『主に向かって新しい歌を歌え(O sing unto the Lord)』や『常に主にありて喜べ(Rejoice in the Lord always)』がそれに含まれる。