また、『
論語』の一節に「非礼勿視、非礼勿聴、非礼勿動」(礼にあらざるものを視るなかれ、聴くなかれ、おこなうなかれ)があり、中国ではこんにちでも、
妊娠中の
女性は胎教の観点から「目は悪色を視ず、耳は淫声を聴かず、口は敖言を出さず」という戒めを受ける。朝鮮半島においても、
結婚前の女性は「見ても見ぬふり、聞いても聞こえないふりをして、言いたくても言うな」と教育される。
「見ざる、聞かざる、言わざる」は、日本には
8世紀ごろ、漢語の「不見、不聞、不言」を訳した
天台宗の教えとして伝わったものだという説がある。日本語の語呂合わせから
日本が三猿発祥の地と思い込む人は多いが、実は「見ざる、聞かざる、言わざる」によく似た表現は古来世界各地にあり、同様の像も古くから存在する。そしてまた、それぞれの
文化によって、意味するところは微妙に異なる。三猿の起源は未だ十分に解明されておらず、今後の
研究と
調査に委ねるところが大きい。