天という言葉には非常に多くの意味が付加されている。この世界全て、あるいは世界を統べる法則そのものであったり、あるいは
自然の代名詞に使われたりと様々である。中国の思想では人間には全て天から一生をかけて行うべき命令(
天命)が与えられており、それを実行しようとする物には天から助けを受け、天命に逆らう者は必ず滅ぶと考えられている。天は人間全ての動きを見ており、悪を行うものには天罰を善を行うものには天恵を与える。その時の
朝廷が悪政を行えば天はこれを自然
災害の形を取って知らせ、逆にこの世に聖天子(理想の政治を行う皇帝)が現れる前兆として、天は珍しい動物(
麒麟など)を遣わしたり、珍しい出来事を起こして知らせると考えられていた。
・ 天にも上位下位があり、宗教、文化で異なるが概ね永遠不滅な最上位を極楽浄土、極楽天国と称し、万物を創造した唯一神であり、すべての霊の根源である親神の住まう天界。仏教では涅槃ともいう。神仏となった霊が輪廻に戻ることがないところ。転じて下位にある天は、俗にいう天国の意味で、限られた時間を徳の高い霊が留まる楽園を指していう。前者は天理に基づいた別格の極楽神国であり、後者は、あくまでも輪廻転生の間にある上層に位置するところ。一時的に安住できる天国は、いまだ苦しみが繰り返す世界であり、上位の天には苦しみも期限もない別次元の理想世界とされる。この上位の天に帰る聖なる大道を
天道といい、古えの帝王、聖人が求めて得た唯一の道として多くの経にその真理が残されている。