学者 wikipedia|無料辞書
学者(がくしゃ)とは、何らかの
学問の
研究や
教授を専門とする
人、およびその
職業の総称である。
研究者(けんきゅうしゃ)、
研究家(けんきゅうか)とも言う。学問の
専門家。
◆ 概要
学者とは、
大学の教員、
天文台、
研究機関や
研究所の研究員、
博物館の
学芸員といった職業研究者から、広義に、アマチュア学者と呼ばれる他に職業を持つ研究者、大学の研究生ないし博士課程の学生までが含まれる(ここでは、職業研究者について述べる)。理系の場合には、世界的に見て
博士が必要条件であることが多い(
アングロサクソン文化では、
修士卒で研究職にあっても、研究補助員としか見なしてくれない)。
学者は、研究活動の成果を定期的に
学会で発表を行う。学者の格というのは、例外もあるが、世界的に見て
論文(分野によっては特に英語で書かれた
査読付きフルペーパー)の質と数で決まると言っても過言ではない。学者としての一つの称号である博士を取得するには、大学によるが、通常3本以上の査読付き論文を必要とし、その後のポスト探しにおいても論文数が重要な要素となる。この評価方式であるため、ある意味、研究能力(論文数)に応じて平等とも言えるが、その生き残りは非常に困難である。本制度は、論文の書きにくいテーマを選んだ人に不利で、さらには他の面(人格、社会貢献や教育貢献)が評価の対象に上がり難く、この弊害が長年指摘され続けていた。
なお、学者の縦の繋がりは強いが、横の繋がりは少なく、分野が違うと顔見知りもおらず、またその分野独特のしきたりも違う。また各々の学者は、自分の専門外の分野に関しては全くの素人と言っても過言でない。このことより蛸壺的な村社会であるとの指摘がある。
◇ 論文
論文を書くということは、まず文献データベースにより調査を行うことから始まる。その後、テーマと
仮説等を立て、
実験・理論検討等を経て研究成果を書き上げる。次に、その原稿を
学会に投稿し、原稿は2人以上の査読者の査読がかけられる。この査読は、新規性や文章構成等細かいチェックが入る。通常は1回はリジェクトされることが多い。査読にパスすると晴れて論文となり、学会誌に掲載される。この一連の流れには、およそ1年を要する。このため、平均的な学者は年に1本の論文生産となる。査読期間中に別論文を書く等で年2本以上の論文を書き上げることは不可能ではないが、相当の労力を必要とする。
この労力より、博士課程とは通常3年であるが、3年で3本の論文を書いて更に
公聴会等をこなすのは困難であり、修士時代に少なくとも1本の論文を書いていなければストレートに博士号を取ることは難しい。このことより、最近日本の一部の大学では、博士号取得に必要な論文数を減らしているケースもある。どの程度緩和されているかについては、専攻間に格差があり、同じ大学であっても、専攻によって異なる。また、アクセプトの期限(公聴会までに全てアクセプトされていなければダメなのか、修了日までにアクセプトされればよいか等)、長さ(フル/レター)等に制限がある場合もある(3本中少なくとも1本はフルペーパーであること等)。
また
准教授や
教授の募集においても、建前として募集者の中で最も論文数の多い学者が選ばれるため、場合にもよるがおよそ20本以上の論文を書き上げる必要があり、その困難さが伺い知れる。ただし、高位のポストの学者は部下や同僚が連名者として名前を入れるため、自動的に論文数が増えることになり、この点で有利となる。
なお、これらの論文を書くという能力は答えのない分野を開拓することであり、暗記といった受験の能力とは別で、学校の成績の良かった者が必ずしも論文を書けるわけではない。また学者は論文執筆能力は高いが、職能訓練を受けた人は少ないためそれ以外の能力は必ずしも高いわけではない。
◇ 賞
各学会は、学会への貢献者や優れた論文に対して賞を与える。また、世間で有名な
ノーベル賞や
フィールズ賞といった賞、行政や財団が与える賞がある。これらの賞は、論文とは別の、一つの学者の格になっている。
◇ 待遇
学者の待遇は所属機関によって差がある。社会的地位は特に欧米で高い。